おはようございます、
中小飲食店専門コンサルタント 中小企業診断士 (有)三峰プロジェクト 鈴木秀樹です。
◆今日は、FL比率に続いて重要指標である「家賃比率」です。
開業希望の方にとっては、FL比率よりも「家賃比率」の方が関心が高いのかもしれません。
なぜなら・・・、
- FL比率は、お店を運営してみないと正確に把握できない
- 家賃は、オープン前の物件取得の時に決めなくてはならないから
と言うことですよね。
これを、経営上(経理上、管理会計上)では、
- FL比率は「変動費」、家賃比率は「固定費」
と言います。
◆「変動費」は予実管理で修正(改善)する事は出来るけれど、「固定費」は変更することが出来ない。
「変動費」は、読んで字の如く「変動させる」ことが出来ます。
つまり、売上の上下に合わせて、変動費を上下させることで、「売上高対比率」(売上高に占める比率)を固定することが出来るのです。そのため、売上が立った時は多めに、売上が立たない時は少なめに経費を調整できる訳です。
これに対して、「固定費」は、読んで字の如く「固定される」訳です。
つまり、売上の上下に合わせて変動させることが出来ず、売上が立とうが立つまいが「固定の金額を経費として計上(支払い)」しなければならないのです。極端に言えば、お店を閉めていても発生する経費と言うことが出来ます。
◆だからこそ、出店時の物件選定は慎重に進めなければなりません。
物件探しをいていると、どうしても1等立地にこだわってしまいがちです・・・。
- 繁華街の真ん中だから、人通りが多い
- ビルの1階で、通りから店内が見えないと・・・
- 急行の止まるターミナル駅だと乗降客も多いだろう
- 幹線道路の信号のある角地で、通行量が多い
こんな点を最重要視して「高い家賃」の物件を契約してしまうと、開業計画との整合性が合わなくなってしまうのです。
簡単に言えば、
- 坪当たり月売上 × 8% × 坪数
を念頭に予算を立てて下さい。
逆算しますと、
- 家賃「坪8千円」の物件の場合、月売上「10万円」ないと合わない
と言う訳です。
(数値は、地方都市の標準的な物件の場合)
30坪の物件であれば、
- 家賃坪8千円 × 30坪 = 24万円
↓ - 売上坪10万円 × 30坪 = 300万円
と言うのが全体の計算です。
売上計画と家賃を検討してみて下さい。
地方都市の場合、開業計画で「月坪売上10万円」を計画することは、かなりハードルの高い設定だと思います。
◆そもそも、中小飲食店の戦略としては「地域密着型のリピータのお店」にするべきなのです。
- 1等立地で通行客を取り込む
これはそもそも、大手外食チェーンが志向する戦略です。
看板を見ればサービス内容(メニュー内容、価格、雰囲気)が分かり、仮に、初めて訪れた土地でも安心して入店できるお店づくりをしている店舗が取るべき戦略なのです。
- 地域密着型のリピーター重視の店舗運営
これが、我々「中小飲食店」が目指すべき店舗の姿であり、ここに向かって戦略を立てなければなりません。
極端な話、カウンター席はいつも「常連さん」で埋まっている店舗運営が理想な訳です。
このような点から考慮すれば、1等立地であることは否定はしませんが、最重要視すべき点ではないということです。
- 2等立地で出店し、
↓ - 月々の家賃(保証金も含めて)で削れた分を、
↓ - 販売促進費(リピータ確保の仕組み、新規客開拓)や食材原価に掛ける
こちらの方が、「中小飲食店」の出店戦略に合致した「物件(家賃)」の考え方だと言える訳です。
明日に続く。
中小飲食店の専門コンサルティング (有)三峰プロジェクト
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