おはようございます、
中小飲食店専門コンサルタント 中小企業診断士 (有)三峰プロジェクト 鈴木秀樹です。
◆昨日に引き続いて、計数管理について・・・。
- 人件費比率:27~32%
→飲食店の2大経費項目ともいえる「人件費管理」も、重点管理項目です。
一般的には「FL比率=フードコスト(食材費)+レイバーコスト(人件費)≦ 60%」なんて言われています。
これは「合わせて60%以下」になるように組み合わせを考えるということですね。- 食材費重視型:F40%+L20%:食材原価にコストを掛け、その分、簡単オペレーション(通常は、接客サービスを簡略化する)の業態とします。
例としては、立ち食いそば、チェーン系のコーヒーショップ、バイキング形式のレストラン、など - 人件費重視型:F20%+L40%:食材コストを削り、その分、丁寧で濃密な接客サービスの業態とします。
例としては、バー・スナック、秋葉系カフェ、など
- 食材費重視型:F40%+L20%:食材原価にコストを掛け、その分、簡単オペレーション(通常は、接客サービスを簡略化する)の業態とします。
◆FL比率で業態を定義した後は、「人件費比率」も予実管理になります。
前述の「FL比率≦60%」を念頭に、人件費比率を決めた後は、食材比率と同じように予実管理になります。
〔計画段階〕
「当月の人件費予算 = 当月の売上計画 × 人件費比率」にて、まずは「人件費の外枠予算」を算出します。
↓
そして、固定費部分(主として経営者給与+社員給与(福利厚生費含む)を差し引き、
↓
残額を「@時給(平均値)」で割り算します。
↓
ここで算出されたものが「シフト数/月次」です。つまり、当月使えるパート・アルバイトの総時間数を算出した訳です。
↓
あとは、総時間数が上回らないようにシフト表を組んでいけばいい訳です。
〔実績段階〕
月末にタイムカードから人件費を計算して、予算額と比較する・・・・、なんて管理じゃだめですよ。
これでは、
- 「あ~、今月も予算を超えちゃった・・・」
- 「今月は、予算枠内セーフ」
なんて、結果オーライな仕事は「管理」とは呼べません。
- 人件費は日次で集計して、日次売上と比較する
予算内に抑えるためには、雨が降ったり、売上が立たない日は「パート・アルバイトを早く上げる」ことが必要になる訳です。「え~、そんなこと出来ないよ~」という経営者様がいらっしゃいますが、出来なければお店が潰れます・・・。アルバイトは大事なパートナーですが、パートナーであるからこそ売上が立たない時は協力して貰う必要がある訳です。
そのためのアイデアを2つ・・・、
- 早上がりの日は、所定の時間数との差分の時給を20%補てんする(つまり、早上がりした残りの時間数×時給の20%を支給する)
- 売上が計画より立って、忙しかった日は「大入り袋¥100~500」を支給する
実は、これによって「副産物」があるのです。
パート・アルバイトにとっても、店舗売上が自分の収入に影響することを理解します。すると、売上向上のために前向きに取り組み始めるのです。逆に、不満を持ったパート・アルバイトは辞めていきます。これによって、経営者であるあなたの真のパートナーとしてのパート・アルバイトが残るようになる訳です。
さらに、経営者様(店長様)の日常業務としては、日次の人件費予算に一喜一憂するのではなく、「月次の累計人件費比率」を日次で集計してシフトを組み替えていかなくてはなりません。
その結果として、月末に「予算内に人件費を抑える」ことが可能となる訳です。
いずれにしても、ポイントは2つ・・・、
- パート・アルバイトの人件費は100%変動費化する(売上に応じて変動させる)
- そのためには、パート・アルバイトとの密なコミュニケーションを大事にする
ということが必要になります。
ここまで出来てはじめて、「人件費管理(レイバーコントロール)が出来ている」と言えるのです。
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