おはようございます、
中小飲食店専門コンサルタント 中小企業診断士 (有)三峰プロジェクト 鈴木秀樹です。
◆今日は、開業時の資金調達について書いていきます。
前述の初期投資(先行投資、設備投資)に従って、開業プランを進めていくと、次なる課題は「資金調達」です。
ここでも、結論先だし・・・!
- 最低でも、初期投資の1/2は自己資金で賄う
「全額自己資金」と言うのが理想なのは言うまでもありませんが、働きながら(修業をしながら)、そこまで貯めることはほぼ不可能ですよね。
そうなると、必然的に借入を起こさなくてはなりません。
その際に、借入先である銀行では、
- 1/2以上は、自己資金で賄っている
と言うことが必須条件となります。
なぜか?
◆開業時の自己資金は、開業準備の心構えを見られるのです。
開業資金の1/2以上を、自己資金で賄っていることの意味合いとしては、
- それだけ、準備期間を持って準備してきた
- 覚悟を決めて、この開業に今までの人生を掛けている
という心構えを示しているということなのです。
◆さらに、自己資金比率が高いことにより「月次損益」を楽にします。
借りたお金は返さなければなりません・・・、しかも、利息をつけて・・・。
具体例で見てみましょう。
例えば、先行投資総額:1,000万円(見込売上300万円/月)だったとします。
(借入金利3%、借入期間5年とします。元利均等とか、複雑なお話は置いておきましょう)
- 自己資金1/2とすると、借入金は5百万円。
初年度の利払いは「1万1250円」となり、「売上比0.375%」 - 全額借入とすると、借入金は1千万円。
初年度利払いは「2万2500円」となり、「売上比0.75%」
投資総額から比べると、大して差がないじゃないか・・、と感じるかもしれませんが、分かりやすいように人件費に換算すれば、
- 時給@¥800として、約14時間分
↓
ランチタイム(11~14時)のパートさんとして「約5日分」
自己資金を半分用意できていれば、
- 1週間分のランチタイムのパートさんの人件費が捻出出来ていた
という訳です。
大きいですよねぇ・・・!
◆当然、元金も返済しなくてはなりません・・・。
利払いだけではなく、元金も返済していかなくてはなりません・・・。
先程の例で言えば、
- 自己資金1/2(借入金5百万円)の場合は、月々の返済額は約「8万3千円」
- 全額借入(借入金1千万円)の場合は、月々の返済額は約「16万6千円」
チョット複雑になりますが、借入金の返済原資は、
- 返済原資 = 利益 × 0.6 + 減価償却費(前述)
となります。
先ほどの投資計画に従って、減価償却期間を7年(残存0円、定額法)と仮定すると、
- 減価償却費 = 1千万円 ÷ 7年 ÷ 12ヶ月 = 11.9万円(売上比4.0%)
となりますので、上記の例に当てはめれば、必要利益は、
- 自己資金1/2の場合 =(8万3千円-11.9万円)= 減価償却で返済額を賄える
- 全額借入の場合 =(16.6万円-11.9万円)÷ 0.6 = 7万8千円(売上比2.6%)
ここで大事なことは、金額や売上比率ではなくて(それも大事なのですが・・)、
- 自己資金を1/2用意していれば、「赤字」でも返済に困らない
と言うことなんです。
(厳密に言えば、現金出納レベルではやはり「利益」が出ている必要があるのですが・・・)
◆根拠はいろいろありますが、結論としては・・・、
上記の通り、数字上で自己資金の重要性を説明してきましたが、ちょっと難しい・・、かもしれませんね。
結論としては、
- 開業計画では、自己資金1/2以上を用意する
これが、必要だということです。
- そんな貯金ないし、親からの借金も出来ないよ・・・
そんな方がいらっしゃるかもしれません。
即答します!
- 投資計画を縮小して、予算の範囲内に計画を修正して下さい
- または、貯金が貯まるまで、待って下さい
僕(鈴木秀樹)は、思います。
貯金が貯まるまで待つことも、開業計画の一環です。すでに、そこから開業計画がスタートしている訳です。
例えば、銀行さんに借入に行った時に、
- 3年前に開業計画を作成した時に、自己資金が足りなかったために、投資計画を若干縮小して、さらに3年掛けて100万円の貯金をし、「総額5百万円で総投資額の1/2の自己資金」を用意しました。
と言うお話をされたら、グッと借入の可能性は高まりますよね。
言わずもがな、「事業の安全性」も高まっています。
是非、こんな開業計画を作って頂きたいと願っています・・・。
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